「今使っているiPad、全額経費にできますか?」
開業届を出した直後、私が真っ先に気になったのはこれでした。
iPadだけではありません。iPhoneもある。サーバー代のConoHa WINGもある。AI利用料のClaudeもある。
副業のために使っているものを数えてみると、思った以上にたくさんありました。
そして正直に言います。
開業届を出した直後の私は、
「これも経費、あれも経費……!」
と、かなり夢を見ていました(笑)。
ところが現実はそんなに甘くありません。仕事とプライベートで兼用しているものは、全額経費にはできないのです。
そこで登場するのが「按分(あんぶん)」という考え方。
今回は、副業初心者の私が直面した「経費の按分」について、実例を交えながらお話しします。
そもそも「按分」ってなに?
按分とは、仕事とプライベートで共用しているものの費用を、使用割合に応じて分けることです。
たとえばスマートフォン。
副業の連絡にも使うし、家族とのLINEや普段の連絡にも使いますよね。こういう場合、「事業で使っている割合分だけ」を経費にするのが原則です。
もし全額を経費にしてしまうと、税務署から説明を求められた際に困る可能性があります。
もちろん私は税務調査を受けたことはありません。でも、あとでビクビクして困るくらいなら、最初から正直にやろうと思いました(笑)。
私の按分基準、公開します
実際に私が設定した按分基準がこちらです。
AIのClaudeと相談しながら、できるだけ合理的な根拠が説明できるものに絞りました。
正直、開業前の私は「按分」という言葉すら知りませんでした。でもAIに質問すると、考え方や注意点をかなり丁寧に教えてくれます。もちろん税理士ではないので鵜呑みは禁物ですが、副業初心者の私にとっては心強い相談相手でした。
| 費用の種類 | 按分率 | 理由・根拠 |
|---|---|---|
| スマートフォン(通信費) | 60% | SNS管理・海外プラットフォーム確認・メール対応など、副業での利用が全体の6割程度と判断 |
| スマートフォン(本体購入費) | 60% | 130,000円で購入。10万円超のため固定資産・減価償却(耐用年数5年)。開業日より償却開始。2026年の経費は約10,800円の見込み※ |
| 自宅のインターネット回線 | 70% | ブログ・SNS・プラットフォーム管理が主な用途 |
| iPad本体 | 80% | Procreateでのイラスト制作がメイン。私用はほぼなし。220,000円で購入。10万円超のため固定資産・減価償却(耐用年数5年)。開業日より償却開始。2026年の経費は約24,300円の見込み※ |
| Apple Pencil | 80% | 20,000円で購入。10万円未満のため「開業費」として処理→初年度に全額経費計上。実質16,000円が2026年の経費 |
| Claude AI(月額利用料) | 80% | 記事制作・翻訳・HTML作成など副業専用に近い使用 |
| Canva Pro | 100% | アイキャッチ制作のみ。事業専用ツールとして判断 |
| ConoHa WING(サーバー代) | 100% | 副業ブログ専用のサーバー |
| 電気代 | 30% | 在宅時間・作業時間の概算から設定 |
| ガソリン代 | 20% | 副業関連の移動の概算。走行記録を保管中 |
| 交通費(新幹線・飛行機・電車など) | 100% | 副業目的の移動(展示会搬入出・打ち合わせ)は全額経費。目的と日程を記録しておく |
| 宿泊代 | 100% | 副業目的の出張に伴う宿泊は全額経費。領収書と出張目的の記録が必須 |
| 家賃・住宅ローン利子・保険等 | 25% | 作業スペース18㎡÷自宅71㎡で算出 |
※減価償却の金額はいずれも概算です。マネーフォワード クラウドの固定資産台帳に登録後、実数値に更新予定。
なお、交通費や宿泊費のように「副業目的」が明確なものは100%経費にできます。ただし、目的・日程・訪問先などの記録は必ず残しておきましょう。
10万円以上のものは「減価償却」が必要
「あれ? そういえばiPadやiPhoneの本体代はどうなるの?」
と思った方、鋭いです。
実は10万円以上の資産は、購入した年に全額を経費にできません。法定耐用年数に沿って、少しずつ経費計上していく必要があります。これを「減価償却(げんかしょうきゃく)」といいます。
私の場合、iPadは22万円、iPhoneは13万円。どちらも10万円を超えているため、耐用年数5年で少しずつ経費化していくことになります。
最初は「22万円も払ったのに、今年の経費は数万円なの?」と思いました。でもこれがルール。ルールはルールなので、素直に従います(笑)。
一方、Apple Pencilは2万円でした。
10万円未満なので処理方法が変わります。開業前に購入していたため「開業費」として処理し、初年度に経費計上できます。このあたりは知らないと間違えやすいポイントですね。
「根拠」がないと怖いことになる
先ほどもお伝えした通り、按分率は自分で決めることができます。
ただし、「なんとなく50%」はNGです。
税務署から「なぜその割合なのですか?」と聞かれたときに、きちんと説明できる必要があります。
たとえば私の場合、それぞれの根拠はこのように設定しました。
- スマホ(60%)の理由:SNS管理、海外プラットフォームの確認、メール対応など、副業での利用が全体の6割程度と判断したため。
- 電気代(30%)の理由:在宅時間と、実際の作業時間から概算した結果。
大事なのは正解をズバリ当てることではなく、「説明できること」。
根拠を言葉にして残しておくだけで、日々の安心感が違います。それに、言語化すると不思議と無理な経費計上もしなくなります(笑)。
100%経費にできるものもある
按分が必要だからといって、全部が割り引かれるわけではありません。
副業専用で使っているものは、堂々と100%経費にできます。
私の場合は以下のツールです。
- ConoHa WING(ブログ専用サーバー)
- Canva Pro
- Procreate
- WordPressテーマ「SWELL」
これらは副業でのイラスト制作やブログ運営以外では使っていないため、全額を経費として処理しています。
家賃や住宅ローンも経費になる?
実はこれ、私も驚きました。
自宅の一部を仕事スペースとして使っている場合、その割合分を経費にできるんです。これを「家事按分」といいます。
私の場合、
- 作業スペース:約18㎡
- 自宅延べ面積:約71㎡
- 計算:18 ÷ 71 = 約25%
という計算になりました。
賃貸なら家賃。持ち家なら住宅ローンの「利子」や固定資産税、火災保険料などが対象になります。
ただし注意点があります。住宅ローンの「元本」は経費になりません。経費になるのは利子部分だけです。正直、「元本もいけるのでは?」と少し期待していました(笑)。
按分設定は意外とラクだった
按分率を決めたら、会計ソフト(私の場合はマネーフォワード クラウド)に登録します。
私は最初、「毎月自分で計算しないといけないのか……」と憂鬱に思っていました。
ところが実際は違いました。マネーフォワード クラウドには「家事按分機能」があります。最初に「通信費は60%」などと設定しておけば、自動で按分済みの仕訳を作成してくれるのです。
つまり毎月、「8,000円の60%は……」と電卓を叩く必要はありません(笑)。
ただし、この機能はWeb版のみ。スマホアプリでは設定できないので注意してくださいね。
経費の前に、大切なこと
ひとつだけ、正直に言わせてください。
経費を上手に使えば節税になる——それは事実です。でも私が忘れないようにしていることがあります。
経費は、売上があってこそ意味がある。
売上ゼロのまま経費だけ積み上げても、節税にはなりません。まず稼ぐこと。それが大前提です。按分の勉強をしながら、そのことを改めて自分に言い聞かせています。
まとめ:按分は「根拠のある割り勘」
経費の按分とは、言うなれば仕事とプライベートを正直に割り勘することです。
正直に言うと、最初の私は「全部経費にできたら最高だな」と夢を見ていました(笑)。
でも、あとで税務署にビクビクして困るような処理をするより、最初からルールを理解して胸を張って進める方が精神衛生上ずっと安心です。
今回学んだポイントはこちら。
- ✅ 按分率は合理的な根拠で決める
- ✅ 根拠を言葉にして記録しておく
- ✅ 副業専用のものは100%経費でOK
- ✅ 家事按分も忘れずに活用する
「難しそう」と思っていた按分ですが、一度ルールを決めてしまえば意外とシンプルでした。54歳でも、AIに相談しながらなんとか前に進められています(笑)。
次回予告
按分のルールが決まったら、次はいよいよ実際の入力作業です。
4月22日の開業日にさかのぼって経費を登録していくのですが、「これは経費?」「これはプライベート?」と迷う場面が想像以上にたくさんありました。
次回は、マネーフォワード クラウドへの実際の入力作業と、初心者が悩みがちなポイントについてお話ししようと思います。お楽しみに!

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