① 海外サイトに登録して気づいたこと
現在、私はアメリカ系のイラストプラットフォーム(INPRNT・Redbubble・FAA)を中心に作品登録を進めています。
登録作業を続けているうちに、ふと思いました。
絵というものは、言葉ではなく視覚で伝わる表現です。
もし本当に絵が言語の壁を越えられるのなら、アメリカだけでなく世界中の人に見てもらってもいいのではないか?
……と。
絵が一枚も売れていないのに(笑)。
でも、だからこそ自由に考えられるのかもしれません。
どうせ挑戦するなら、少し大きな夢を見てみたい。
そんな気持ちが湧いてきました。
② アメリカ市場の現状
当たり前ですが、アメリカは世界最大級のアート市場です。
人口も多い。
購買力も高い。
アートやイラストを購入する文化も根付いています。
その一方で、競合も桁違いに多い。
世界中のアーティストが集まるため、市場としては非常に魅力的ですが、同時に激戦区でもあります。
これは最初から分かっていたことでした。
むしろ登録してみて改めて実感した、と言った方が正しいかもしれません。
| アメリカ市場 | 欧州市場 | |
|---|---|---|
| 市場規模 | 世界最大級 | 世界第2位圏 |
| 日本文化への関心 | Cool・トレンド消費 | 美術・歴史の文脈で評価 |
| ジャポニスムの影響 | 薄い | 深い(印象派との直結) |
| 競合の多さ | 非常に多い | 多いが分散している |
| 自分の作風との相性 | △ | ◎(仮説) |
③ 欧州と日本文化の意外な深さ
そこで気になったのがヨーロッパ市場です。
ご存じの方も多いと思いますが、ゴッホやモネは浮世絵から大きな影響を受けたことで知られています。
モネは妻に着物を着せて描いた「ラ・ジャポネーズ」を制作し、ゴッホは数百点もの浮世絵を収集しただけでなく、歌川広重の作品を模写したことでも有名です。
これは「ジャポニスム」と呼ばれる現象です。
19世紀後半の欧州で、浮世絵・着物・工芸品といった日本文化が爆発的なブームになりました。印象派の画家たちはこぞって日本美術を研究し、作品に取り入れたのです。
こうしたエピソードを知ると、ヨーロッパにおける日本美術への関心の深さが伝わってきます。
アメリカが日本文化を「Cool!」と受け止める傾向があるのに対し、ヨーロッパには日本文化を美術や歴史の文脈で評価する土壌がある。
もちろん単純比較はできませんが、
大正ロマンや昭和レトロといった私の作品世界は、もしかすると欧州の感性とも相性が良いのではないか?
そんな仮説を持つようになりました。
絵が一枚も売れていないのに(笑)。
④ 欧州向けプラットフォームを調べてみた
気になって調べ始めると、欧州にもさまざまなプラットフォームが存在していました。
まず目についたのが、ポーランド発のDisplate。
金属プリント専門という珍しいサービスですが、登録のハードルは低く、まず試してみるには良さそうです。
次に気になったのがドイツのPosterlounge。
欧州最大級のアートプリント企業の一つで、審査制を採用しています。
ポートフォリオを提出し、認められたアーティストだけが登録できる仕組みです。
私が調べた限りでは、日本人アーティストをほとんど見つけることができませんでした。
だからこそ挑戦してみたくなります。
さらにフランスのCarré d’Artistesや、デンマークのArtland、イギリスのArtfinderなども調査。
どこも審査があったり、ギャラリーとの関係が必要だったりと簡単ではありません。
しかし逆に言えば、世界中のアーティストが本気で挑戦している場所でもあります。
調べれば調べるほど面白くなってきました。
| プラットフォーム | 拠点 | 特徴 | 登録難易度 | 日本人の少なさ |
|---|---|---|---|---|
| Displate | ポーランド | 金属プリント専門・独自マーケット | ★☆☆ | ◎ |
| Posterlounge | ドイツ | 欧州最大級POD・eBay/Amazon連携 | ★★☆(審査制) | ◎◎ |
| Carré d’Artistes | フランス | 40館超のギャラリーネットワーク | ★★★ | ○ |
| Artland | デンマーク | コレクター向け・ギャラリー経由 | ★★★ | ○ |
| Artfinder | イギリス | 欧州コレクター層・審査制 | ★★★ | ○ |
| Gelato | ノルウェー | POD・Etsy連携前提 | ★☆☆ | △ |
| Papello | イギリス | ジクレー専門POD・Etsy連携前提 | ★☆☆ | △ |
⑤ 次の一手と正直な課題
調査を進める中で見えてきたのが、「Etsy」という存在でした。
Gelato(ノルウェー)やPapello(UK)など、多くの欧州系サービスがEtsyとの連携を前提にしています。
調べれば調べるほど、
「Etsyがないと始まらない」
そんな構造が見えてきました。
そこで今のところの計画はこうです。
- まずDisplateへ作品登録
- Posterloungeへ申請してみる
- その先でEtsyを開設する
もちろん、うまくいく保証はどこにもありません。
ですが、ここで一つ面白いことがあります。
AIがなければ英語は無理だった。
インターネットがなければ海外販売なんて考えもしなかった。
数年前の私なら、海外のアート市場を調べることすらなかったでしょう。
54歳になった今、普通なら守りに入る年齢かもしれません。
ところが現実は逆でした。
AIのおかげで世界が近くなった。
翻訳できる。
調べられる。
申請できる。
挑戦できる。
そんな環境が目の前にあるのに、使わない理由が見当たりません。
結論:欧州攻略の地図が見えてきた
正直なところ、まだ作品は一枚も売れていません。
それでも、調べているだけで楽しいのです。
アメリカのサイトに登録し、ヨーロッパのプラットフォームを調べ、英語の申請文をAIと一緒に作る。
数年前の私なら考えもしなかった世界です。
愛媛の片隅から、世界へ向けて作品を発信する。
成功するかどうかは分かりません。
でも一つだけ確かなことがあります。
知って動くのと、知らずに動かないのは全く違う。
だから私は、とりあえず申請してみます。
絵が一枚も売れていないのに(笑)。
次回予告
次回・海外副業記第15回は、「Displateに作品を登録してみた」をお届けします。金属プリント専門サイトへの実際の登録作業、高解像度データとの格闘をリアルにレポートします。

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