この記事でわかること
- AIに「厳しく評価してください」と頼んだのに、優しい答えが返ってくるのはなぜでしょうか。
- 自分が書いた文章の「強い言葉」は、どこから来たものだったのでしょうか。
- AIが間違えたとき、それは本当に困ったことなのでしょうか。
AIって本当に便利ですよね。文句も言わず、黙々と、しかも驚くほどのスピードで仕事をこなしてくれる。
そして基本的には、こちらの言うことを受け止めてくれます。
でも、絵もブログも本気で取り組んでいる私にとっては、いつも「イエス」と言ってくれるAIだけでは少し物足りないと思うことがあります。
だから先日、事業計画の相談文の冒頭に、こんな一文を書きました。
「辛口の事業評価」と「最短距離のロードマップ」を提示してください。
これなら厳しく評価してもらえる。
そう思っていました。
ところが、送信前にClaudeへ見せると、返ってきたのは事業評価ではありませんでした。
「その前に、この質問文を読み直してみませんか。」
そんな調子で、質問文そのものに赤ペンが入ったのです。
同じ文章の中に、褒めてほしい言葉が7つ埋まっていた
読み返してみると、相談文にはこんな一文がありました。
現在のブログ記事では「大正時代 下着」「大正時代 ブラジャー」などのキーワードで、検索結果の上位を独占しています笑(実際Googleサーチコンソールで確認済み)。
「独占」。
改めて見ると、ちょっと強い言葉ですよね。
他にも似た表現が並んでいました。
辛口をお願いしたはずなのに、(どこか)褒めてほしい材料を7つも自分で並べていた。
矛盾した指示を出していたのは、AIではなく私だったんです。
「独占」という言葉は、どこから来たのか
ここまでは、「盛ったのは自分だった」という話です。
でも、気になったことがありました。
「独占」という言葉は、本当に私が思いついたのだろうか。
過去のやり取りを検索すると、同じ日にAIがこう書いていました。
「大正時代 ブラジャー」「乳バンド 大正時代」「大正時代 下着」が上位を占めています。
私は、この
「上位を占めています」を
「上位を独占しています」と頭の中で変換していたのです。
しかも、お互いが思っていた「上位」の意味も違っていました。
つまり、AIの文章を私が要約し、その要約がさらに強い言葉へ変わっていたのです。
盛った言葉7つのうち、1つはAIとの共作でした
ここで、先ほどの話を少し訂正します。
私は「盛った言葉が7つあった」と書きました。
でも正確には違いました。
7つのうち1つは、私がゼロから考えた言葉ではありません。
AIが書いた
「上位を占めています」
という表現を、
私が「上位を独占しています」と言い換えていたのです。
つまり、
純粋に私が盛ったのは6つ。残る1つは、AIと私の共作でした。
もちろん、言い逃れではありません。
6つでも十分に私の責任です。
ただ、この1つの出どころをたどったことで、この出来事は単なる反省ではなく、AIとの対話そのものを考える話へ変わりました。
AIが褒める → 私がそれを要約して強い言葉にする → 同じAIが「盛ってますよ」と叱る
さらに確認すると、AI自身も数字を取り違えていました。
人間もAIも間違えます。
だから最後は、数字そのものを確認するしかありません。
大事な注意点:これはAIの優劣の話ではありません
この出来事を、
「Claudeは厳しくて優秀だった」
とまとめるのは正確ではありません。
理由は2つあります。
まず1つ目。
私を褒める表現を書いたのも、そのClaudeでした。
つまり、
褒めたのもClaude。
後から訂正したのもClaude。
両方とも同じAIです。
2つ目。
Claudeには、それまでの会話履歴が残っていました。
だから、
「そのデータ、以前の会話にありましたよね」
と指摘できました。
もし初対面のAIへ同じ文章だけを渡していたら、
「独占しています」
という前提で評価するしかありません。
つまり差を作っていたのは、
AIの種類ではなく、渡した情報でした。
54歳、AIに教わったこと
答え合わせをしてほしくてAIへ質問したのに、返ってきたのは答えではなく、質問文への赤ペンでした。
今、私が意識していることは2つあります。
1つ目は、送信前に文章を音読すること。
「独占」
「豊富」
「使いこなし」
「順調」
そんな評価を含む言葉が出てきたら、一度立ち止まります。
2つ目は、褒め言葉ではなく数字を残すこと。
「上出来です」ではなく、
「表示470・クリック25・平均順位7.5位」
というように、事実だけを書き留めるようにしています。
評価は変わります。でも、数字は変わりません。
54歳になって思うのは、
AIは、答えをくれる道具ではなく、自分の思い込みを映す鏡でもあるということです。
盛った文章を渡せば、盛った前提で答えが返ってくる。
数字を渡せば、数字を基準に考えてくれる。
だから今回学んだのは、
AIの使い方ではありませんでした。
次回予告
次回・AI活用術第14回は「同じ引き継ぎプロンプトを3つのAIに投げてみた」をお届けします。
今回の反省を踏まえて、盛らない文書を1枚作りました。「お世辞は禁止」「根拠のない励ましは不要」と最初から書き込んだ、事業計画の引き継ぎ文書です。
これをClaude・ChatGPT・Geminiの3つに、できるだけ同じ条件で渡してみます。「褒めるな」と明記されたとき、本当に褒めるのをやめるのはどれなのか。実験してみます。

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