この記事でわかること
- AIはどこまで会話を記憶してるの?
- AIと言えど万能ではない
- その場合の対応は?
はじめに
新しいチャットを開くたび、同じことを何度も説明しなければならない。
AIを使い始めた頃、私はそんな悩みを抱えていました。
「あの、それさっきも言ったよね……?」
AIに向かって、そう突っ込みたくなったことはありませんか?
私はあります。何度も(笑)
しかも、突っ込んでいた相手はAIではなく、自分自身の勘違いだったことに後から気付きました。
毎回、同じ自己紹介をしていました
新しいチャットを開くたびに、私はこう入力していました。
「過去の会話から前の作業の続きをお願いします。」
これが毎回です。
というか、それが当たり前になっていました。
考えてみれば当然の話で、新しいチャットは、同じAIを使っていても基本的には「初対面」です。
AIからすれば、私は初めて会う相手。
私が何者で、どんな活動をしているのか知る由もありません。
……とはいえ、
「少しくらい覚えていてよ〜!(笑)」
という気持ちになったのも事実です。
「メモリ機能」の存在を知った日
そのモヤモヤが晴れたのは、ある日ふと設定画面を見たときでした。
「これをオンにしたらどうなるんだろう?」
設定を覗いてみると、そこには「Generate memory from chat history(過去の会話から記憶を生成する)」という項目がありました。
要するに、AIが会話を勝手に要約して、屋号や目標みたいな「よく話す内容」を一晩かけてまとめておいてくれる仕組みらしいのです。
ただし、「話したこと全部を録音するテープレコーダー」ではなく、「AIなりに大事だと判断した部分だけ」を覚える、という点がポイントでした。
軽い気持ちでメモリ機能を有効にしてみると……
次に新しいチャットを開いたとき、AIは私の屋号や5ヵ年計画など、普段よく話している内容を覚えていてくれました。
正直、少し鳥肌が立ちました(笑)。
「自己紹介しなくていいって、こんなに楽なんだ。」
そう思ったのを今でも覚えています。
でも、万能ではありませんでした
ところが、使い込むうちに限界も見えてきました。
メモリ機能は便利ですが、「一度話したことを全部覚えてくれる機能」ではありません。
屋号や活動内容、よく話すテーマ、長期的な目標などは覚えてくれることがあります。
一方で、最新の進捗、細かな数字、プロジェクトごとの詳細な情報までは、自動ですべて共有されるわけではありません。
そして何より気付いたのが、
プロジェクトをまたぐと、細かな情報までは自動で引き継がれない
ということでした。
「全部忘れる」わけでも、「全部覚える」わけでもない。その中間だったのです。
そもそも「プロジェクト」って何?
ここで少し補足させてください。
「プロジェクト」というのは、Claudeの中に作れる、作業ごとの専用の部屋のようなものです。
部屋の中にはいくつも会話(チャット)を作れて、同じ部屋の中にある会話同士は、記憶や資料を共有します。
逆に、別の部屋(別のプロジェクト)にある会話とは、記憶は共有されません。
図解:プロジェクトとチャットの関係
図解:プロジェクトとチャットの関係
プロジェクトA
(例:イラスト業務)
プロジェクトB
(例:別の作業用)
同じプロジェクトの中のチャット同士は記憶を共有。プロジェクトが違うと、記憶は共有されません。
これさえ分かっていれば、今回の私の混乱も防げたはずでした。分かっていたつもりで、実際には分かっていなかった、といういい例です(笑)。
先日、まさにこの「壁」で本当に混乱しました
頭では分かっていたつもりでした。
でも、実際にやらかしたのはつい先日のことです。
以前、別の作業のために作っていた「引き継ぎ用の資料」を、深く考えずにそのままAIに貼り付けて相談を始めました。
すると、返ってきた反応が、こちらの認識と全然違う。
「ブログの記事数が、把握していた数字と合っていません」
「解決したはずの案件が、全く別の展開で進んでいることになっています」
「そもそも、こちらでは見覚えのない設定が紛れ込んでいます」
一瞬、「AIがおかしくなった?」と本気で思いました。
でも、落ち着いて聞いてみると、種明かしはシンプルでした。
「その資料は、このプロジェクトのものではなさそうです」
そうAIに指摘されて、ようやく気付きました。
私が、別の作業をしていた時のプロジェクトの資料を、間違えてこっちに持ち込んでしまっていたんです。
さらに、ややこしい後日談がありました
実はこの話には続きがあります。
「じゃあ、いつも使っているあの管理用チャットも、実は別のプロジェクトだったんじゃないか……?」
と、急に不安になって確認してみました。
結果は、まさかの逆でした。
そのチャットは、最初から今と同じプロジェクトの中に、ずっと入っていたんです。
画面の一番上に出ている「プロジェクト名/チャット名」という表示(いわゆるパンくずリスト)を確認して、ようやく分かったことでした。
「別プロジェクトだと思っていたら実は同じ」「同じだと思っていたら実は別」。
人間の思い込みは、AIの記憶よりよっぽど当てにならないものだと痛感しました(笑)。
「専用の部屋」を作ることで、ようやく落ち着きました
この一件から学んだのは、
情報の置き場所は、自分の思い込みではなく、画面表示で確認する、ということでした。
「AIが全部覚えてくれる」と期待するのではなく、「記憶の置き場所は自分で管理する」。
そう割り切ったところ、驚くほどスムーズに使えるようになりました。
プロジェクト機能、こう使うと便利でした
AIは「何でも覚えてくれる相棒」ではない
この経験を通して、私の中で一つ考え方が変わりました。
AIは、何もかも察してくれる魔法のような存在ではありません。
でも、必要な情報を整理して渡せば、その情報をもとに一緒に考えてくれる、とても頼れる仕事仲間です。
これは人間同士の仕事の引き継ぎにも少し似ています。
引き継ぎ資料がなければ、どんなに優秀な人でも困ります。
AIとの付き合い方も、結局は同じなのかもしれません。
今回の学び
今回学んだのは、「AIに全部覚えてもらうこと」ではありませんでした。
大切なのは、「AIが使いやすいように、自分で情報を整理すること」。
そして、思い込みではなく、画面表示で事実を確認すること。
この考え方に変わってから、AIとの付き合い方はずいぶん楽になりました。
最近ではChatGPT、Claude、Gemini、それぞれに得意なことがあると感じています。
だから私は、「どのAIが一番優秀か」を考えるより、「どの仕事を、どのAIにお願いするか」を考えるようになりました。
AIは何でも覚えてくれる相棒ではありません。
でも、情報を整理して渡せば、一緒に考え、一緒に成長してくれる頼もしい仕事仲間です。
それが、この一年で私がたどり着いた答えでした。
次回予告
次回は、そんなAIたちに「本音」をぶつけてみた話をお届けします。
ChatGPT、Claude、Gemini。一番正直だったのは誰なのか。54歳、ちょっとした実験の結果を書いてみたいと思います。

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